愛知県名古屋市の社会保険労務士法人 北見事務所は賃金、給与、退職金、就業規則、解雇など労務コンサルが得意

　ＪＡ熊本市が経営する熊本市内のガソリンスタンド６か所の所長６人に適正な残業代を払わなかったとして、熊本労働基準監督署が同ＪＡに是正勧告を行ったことが４日分かった。勧告は５月２２日付。

　同ＪＡによると、独自に定めた定額の残業代を支給していたが、労働基準法が定める金額より不足していたという。不足額は精査中。

　勧告ではほかに、▽就業時間などの労働条件を書面で従業員に示していない▽労働協約の限度を超えて時間外労働をさせている▽就業規則が実態に則していない－－ことも指摘し、改善を求めたという。

　同ＪＡの鳥飼博秋参事は適正な残業代を把握していなかったことが原因だとし、「勧告を深刻に受け止めて対応する」と述べた。

　今回の問題は、同労基署が５月１７日に同ＪＡが保管する所長のタイムカードや賃金の台帳を調査して発覚した。

　所長６人のうち同市内の男性（５９）は３月に退職し、同ＪＡを相手取り、２０１０年４月から今年３月までの残業代の未払分や付加金など計約８４３万円の支払いを求める訴訟を熊本地裁に提訴。「残業代は１円ももらったことはない」と主張している。

[読売新聞社 2012年6月5日(火)]