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うつ病の自殺 労災認定 名古屋地裁判決=中部

2012/07/13

 携帯電話会社「ジェイフォン」(現・ソフトバンクモバイル)に勤めていた小出尭さん(当時56歳)がうつ病で自殺したのは、不当な異動による過重労働が原因として、妻の典子さん(64)が、労災を認めずに遺族補償年金を支給しなかった国を相手取り、不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、名古屋地裁であった。田近年則裁判長は「うつ病の発症と自殺は業務が原因だ」と述べ、処分の取り消しを命じた。
 判決によると、小出さんは、ジェイフォンの前身会社で苦情処理などを担当していた1994年11月にうつ病を発症。2002年12月には物流業務担当に異動し、直後に自宅で自殺した。典子さんは07年に労災申請したが、名古屋西労働基準監督署は09年、不支給処分を出した。
 判決は、うつ病発症前の半年間のうち、4か月間は月に約100時間の時間外労働をしていたとして、「肉体的、精神的負荷が発症の大きな原因となった」と指摘。自殺直前には経験のない業務担当となり、症状が決定的に悪化したとして、「業務上の精神的ストレスが続いてうつ病が慢性化し、自殺に至った」と判断した。
[読売新聞社 2011年12月15日(木)]