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52歳自殺 一転労災認定 名古屋東労基署「パワハラ原因」=中部
2012/07/10
愛知県瀬戸市の原田孝幸さん(当時52歳)が2009年に自殺したのは勤務先のパワハラが原因だとして、妻の美和さん(44)が行った労災申請について、名古屋東労働基準監督署がいったん不認定としたものの、美和さんが名古屋地裁に提訴後、一転して認定していたことがわかった。愛知労働局によると、労基署が決定を覆すのは珍しいという。
14日に名古屋市内で記者会見した美和さんの弁護士によると、原田さんは03年10月、同県日進市の金属加工会社に入社してすぐ、社長から暴言を繰り返されるようになった。09年1月19日に足を蹴られたうえ、同23日には退職願を書くよう強要され、同26日に自殺。美和さんは同年3月に労災申請したが、同労基署は10年2月、「暴行は1回だけで自殺は業務とは関係ない」として遺族補償年金などを不支給としたという。
美和さんは昨年2月、国を相手取り、不支給決定の取り消しを求める訴えを起こした。国側は裁判で、当初は労基署と同様の主張をしたが、労基署が今年1月、「日常的な暴行が明らかになり、パワハラによる強い心理的負荷もあった」として支給を決定。美和さんも訴訟を取り下げた。
愛知労働局は取材に対し、「提訴を受けて調べたところ、労基署の調査時には、体調不良で話が聞けなかった同僚から話を聞くことができ、暴行やパワハラが原因だと判断した。認定の難しいケースだった」と説明。そのうえで、「今後、事実関係の把握や適正な認定を徹底したい」としている。
美和さんは「労基署が最初からきちんと調べれば良かったはず。遺族が泣き寝入りにならないようにしてほしい」と話した。
[読売新聞社 2012年3月15日(木)]